公益社団法人和歌山県看護協会/記事情報

和歌山県看護協会の情報をブログ記事として更新します。

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医療安全インフォメーションの最近のブログ記事

 海南医療センター 医療安全管理者 大谷千佳子 海南医療センター
医療安全管理者  大谷千佳子

海南医療センター

海南医療センターでは、医療安全管理者を平成24年より専従で配置しています。医療安全管理者として、全職員が医療安全に関心を持つ組織にすることは難しいことだと感じています。
当院では、今まで全体研修の1回を、土曜日の午前中を使用し集合研修を行っていましたが、三交代を行っている看護師の参加が難しいので、いつでも、どこでも学べる環境を作る為に、eラーニングを導入しました。就業時間内に研修を受けられる環境も作り、看護師以外の職種も期間内に100%受講できました。受講できなかった医師には、その後資料をもって研修しています。
医療安全管理委員会の構成員による週1回の合同カンファレンスでは、複数の部署に関連している事例を議題に検討しています。各部署の責任者あるいは次席の者が参加しているため、直ぐに解決策を実践レベルまでにすることが出来、翌日から手順の変更も可能となります。看護師として、薬剤、放射線、栄養など一通りの知識は備えているつもりでもやはり「餅は餅屋」と言われるように看護師では考え付かない意見を出してくれます。それから、医師が必ず参加しているので、医師に依頼することも医師同士と言うこともあり、反対もなく受け入れられています。
また、毎週顔を合わすことで職種間の良い人間関係が築け、お互い協力し合って医療安全に取り組む姿勢も出来てきます。
今後も基本理念にある「市民から信頼される、安全で良質な医療を提供する」ために、職員一人一人が危機意識を持って診療にあたるのと同時に、事故を未然に防ぐ体制作りをしていきたいと考えています。

 

合同カンファレンスの様子

合同カンファレンスの様子  

医療安全活動に関するお問い合わせ・質問等は、下記メールにお願いいたします。
otani-chikako@kic-kainan-hsp.jp

患者さんを守る!職員を守る!医療安全活動!

 医療安全管理者 栗原 久美子 新宮市立医療センター
医療安全管理者 栗原 久美子

新宮市立医療センターでは、平成22年4月に"医療安全管理室"を設置、平成24年度には組織の医療安全管理体制をさらに充実させることを目的に、専従医療安全管理者(看護師)が配置されました。
医療安全は医療の質と向上が重要な課題です。患者の安全、また職員の安全を担保するためには、組織として再発防止対策を立案し実施することが大切です。また、医療の標準化を進めることで、安全な風土を生みだし、患者が安心して診療・治療を受けられるよう、職員は安全な医療を提供できるよう組織として管理を行うことが必要です。そのために当院の管理体制として病院全体の医療安全を管理・指導する医療安全管理委員会を設置し、各部署のリスクマネージャーが構成要員となり安全な医療について検討を重ねています。医療安全管理委員会は医療安全管理室メンバー6名を含め25名で構成しています。

医療安全に関する、お問い合わせ・質問などありましたら下記メールにお気軽に連絡ください。
maron@hsp.shingu.wakayama.jp

~・~・~ 医療安全管理室構成メンバー ~・~・~

●室長(医師)
●医療安全管理者(看護師)
●薬剤部薬剤科長
●臨床工学部係長
●医療業務課長
●保安渉外管理責任者

~・~・~ 医療安全管理室の活動内容 ~・~・~

●医療安全管理室会議、医療安全管理委員会の開催
●患者・家族からの相談
●インシデントレポート集計・報告などのデータ管理
●インシデント事例検討、対策立案・評価など再発防止活動
●「医療安全管理ニュース」作成など、安全情報の広報活動
●院内ラウンドによる院内環境チェック
●医療安全管理研修の開催
●その他、医療の安全にかかわる事項ヘの対応


ここ数年、患者の暴言・暴力といった事例に対応する機会が増え、院内暴力発生時の対応マニュアルを作成しています。院内に「NO!暴言・暴力・迷惑行為」のポスターを掲示し、保安渉外管理責任者を中心に毅然とした態度で「NO」と言える環境作りをしています。また身の危険を感じたときは"さすまた"を活用することもひとつの手段とし、院内には2本の"さすまた"が設置されています。
"さすまた"の設置場所は院内全職員が必要時すぐ使用できる位置に設置しています。設置後、使用するに至る事件が発生していないことは喜ばしいことであります。

まつり

安心で快適な医療機関

"さすまた"を実際活用できるように警察の協力を得て、講習会も行いました。
さすまた さすまた講習会  
さすまた講習会

院内暴力の防止に関わる体制作りの一貫として昨年度より委託している警備会社と当直を担う師長の意見交換会を年1回行っています。意見交換を重ねることでそれぞれの役割をお互いに確認することができ、良好なコミュニケーションを保つことに繋がっています。このような意見交換を行うことで夜間・休日における病院の安全な環境作りと体制強化に繋がっていると自負します。

めはり寿司

医療安全のために日々様々な取組みをしていますがそれを徹底するには患者さんひとりひとりの協力が不可欠です。医療安全を考える上で「そこまでしなくても」「いやそうしておくべき」と微妙な葛藤もありますが今後も「患者さんを守る!職員を守る!」をスローガンに取り組んでいきたいと考えています。

医療安全に関する、お問い合わせ・質問などありましたら下記メールにお気軽に連絡ください。
maron@hsp.shingu.wakayama.jp

医療安全研修会ランチョンセミナーの導入と、
地域医療安全ネットワークづくり

pic_01.png 橋本市民病院
医療安全管理者 恋中 理恵

橋本市民病院では、平成23年4月に医療安全管理室が設置されました。
医療安全管理者として感じることは、医療安全に対する職員の意識を高めなければならないということでした。そのための取り組の一つとして、平成25年度から医療安全に関する研修の機会を他部署の協力も得ながら、前年度より多く設けました。しかしながら、「研修には参加したいが、子育てが忙しくて・・・」等の声も聞かれ、職員の参加状況は満足がいくものではありませんでした。
そこで、平成26年度からは医療安全研修会に参加できなかった職員を対象とする録画研修会を計10回開催し、通常日勤勤務終了後の時間帯に加え、昼食時に開催するランチョンセミナー形式を取り入れることにしました。その結果、ランチョンセミナー形式への参加人数が今までの参加人数を超えるという結果が得られ、医療安全研修会参加率は100%に近づいています。(写真①)
一方、医療安全活動を広く推進していくいためには、地域医療機関での「顔の見える関係作り」が必要と考え、各病院の協力と理解をいただき、平成26年1月から、和歌山県橋本市及び伊都郡に所在する和歌山県立医科大学附属病院紀北分院・医療法人南労会紀和病院・当院それぞれの医療安全管理者で構成する、「伊都・橋本医療安全ネットワーク」を設立しました。現在では、同病院の医療安全管理者に加え、地元医師会・歯科医師会・薬剤師会からの参加を得て毎月1回定例会議を行い、各医療機関での医療安全に関する取り組みについて情報交換や意見交換を行っています。(写真②)
その取り組の一つとして、地元病院・調剤薬局では、お薬手帳の持参を呼び掛けるポスター掲示を一斉に行いました。(写真③)
今後も安全で安心できる医療を提供するため、院内外の医療者と連携し、医療安全について考えていきたいと考えています。

医療安全活動に関するお問い合わせは、下記メールにお願いたします。
koinaka@hashimoto-hsp.jp

 

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写真①ランチョンセミナーの様子

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写真②伊都・橋本医療安全ネットワーク 定例会議

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写真③お薬手帳の持参を呼び掛けるポスターの掲示

 

 

安全リンクスタッフによる医療安全活動

pic_01.png 社会医療法人黎明会北出病院
医療安全管理室 澤 孝子
(専従医療安全管理者)

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はじめに

当院では患者さまに安全で安心していただける医療サービスを提供すべく、全員参加の医療事故防止・安全管理体制の充実強化に取り組んでいます。重要改善課題である転倒・転落ケースや誤薬ケースの低減に向け、医療安全管理室が中心となり、安全パトロールやフォローアップ監査、手順の見直しなどを行っています。また、現場目線の安全推進活動が安全啓蒙と安全文化醸成につながると考え、2010年11 月北出病院看護部 安全リンクシステムを構築し、運用を開始しました。 2012年6月には北出病院 安全リンクシステムとして拡大し、最前線で活躍している安全リンクスタッフの視点を重視した職種横断的な安全推進活動を展開しています。 今回は、当院の安全リンクシステムと安全リンクスタッフ(以下「リンクスタッフ」)による安全推進活動について紹介します。

スタッフ集合写真

安全リンクシステムの概要

1.目的
患者さまに安全で安心していただける医療サービスを提供するために、安全リンクスタッフが中心となり、職種横断的な安全推進活動を展開します。
2.構成 
1)安全リンクスタッフ
各部署から選出された最前線で活躍している看護師、薬剤師、診療放射線技師、臨床検査技師、理学療法士、言語聴覚士、事務職員
2)安全リンク リーダー(医療安全管理者)
3)医療安全推進責任者(院長)
3.役割
現場の視点 (現場・現物・現実)を重視した安全推進活動を展開するために、安全に対する感性を高く維持しながら安全を切り口とした活動テーマを見出し、他の安全リンクスタッフと情報共有しながらチームとして連携した活動を展開します。
また、部署内においてもリーダーシップを発揮しながらその活動を啓蒙します。
安全リンクスタッフはドンドン意見を述べ、積極的傾聴の姿勢を大切にしたブレーンストーミングを行い、その結果を活動の根拠とします。

ビジョンと活動のイメージは以下の通りです。

スタッフ集合写真

スタッフ集合写真

4.定例活動とミーティング
原則、毎月 第3木曜日 15:00~16:00(60 分以内)。
安全パトロールや危険予知活動など、安全啓蒙に重点をおいた活動と結果を共有します。
柔軟なスタイルで開催します。

安全推進活動の実際

★薬剤安全使用チームによる透析センターのパトロール

スタッフ集合写真

★誤認対策チームによる放射線科、内視鏡センターのパトロール

スタッフ集合写真

★転倒、転落対策チームによるミーティングとカルテレビュー

スタッフ集合写真

★安全パトロールでとらえた場面を用いたKYTと発表会の様子

スタッフ集合写真

まとめ

安全リンクシステムによるミーティングや安全ラウンドでは、リンクスタッフの着眼点の豊かさや改善への熱い意欲を感じ、私自身が元気をもらっています。今後も現場の視点を大切にしながら未然防止による安全の先取りと安全文化醸成のシステムとして機能するよう、安全推進活動を継続強化していきたいと考えています。

医療安全活動に関するお問い合わせは、下記メールにお願いいたします。
reimei@reimeikai.com

第2回 済生会和歌山病院 病院の防犯対策

「110番直結の非常通報装置」の設置

pic_01.png 済生会和歌山病院 医療安全管理室
室長  澤田 康幸

済生会和歌山病院では、患者さんや来院される方が安心して療養に専念できるように、
また、勤務する職員が安心して医療を提供できるように、平素から、院内における防犯対策に取り組んでいますが、その対策の一つとして、平成23年9月、「110番直結の非常通報装置」を設置しました。

この装置の概要は、病院内で緊急事態が発生した時
  ①非常通報ボタンを押します
  ②警察本部の110番指令室に自動的に非常事態が通報されます
  ③110番指令室の緊急指令を受けた警察官が病院に急行されます
というシステムで、これまでにも病院内でトラブルが発生した際、非常通報ボタンを押して警察官に急行してもらい、大事に至らなかったことがありました。

療養の場である病院は、安全であることが第一であります。今後とも、安心して治療を受けていただけるよう院内における防犯対策の充実、強化に努めていきたいと考えています。

医療安全に関する、お問い合わせ・質問等は、下記メールに気軽にして下さい。
sawayan7_7@hotmail.com(澤田)

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第1回 和歌山県立医科大学附属病院医療安全推進部

img_01.jpg 和歌山県立医科大学附属病院
医療安全推進部 中山美代子

平成11年1月11日横浜市立大学医学部附属病院で発生した手術患者取り違え事故の後、医療界は看護職を中心として、
医療安全を推進してきました。
今は、医療安全の世界に、医師も参入し、大病院では医師がリーダシップを発揮するようになってきました。

当院も横浜と同じ公立医科大学附属病院として、平成14年4月に和歌山県立医科大学附属病院医療安全推進規程を制定し、
医療安全に取り組んできました。
私で3代目の看護師GRMです。一昨年4月に任命された新米GRMです。
医療安全推進部発足当初は、専従看護師GRM1名、事務1名体制でしたが、現在は専任医師1名、専従薬剤師GRM1名、
専従看護師GRM1名、事務1名となりました。
感染制御部も独立し、医薬品安全管理責任者、医療機器安全管理責任者も別に配置しています。
中小医療機関から見れば、充実した組織であり、悩みなどないのだろうと思われがちですが、日々胸の痛いできごとばかりで、
非常に多忙で、孤独で、押しつぶされそうになります。何とか踏ん張って、「この病院に来てよかった。」と言っていただけること、
それだけを目標に頑張っています。

また、私は、平成22年度~24年度の3年間、和歌山県看護協会の医療安全対策委員会の委員長をさせていただき、
その間、約150名の医療安全管理者の養成に携わりました。
診療報酬の改定もあり、150名の方々は、ほとんど中小の医療機関からの受講生でした。
中小の医療機関で「医療安全管理者」を任命された方々の不安や重責を考えると、何かできることはないか、
と委員会で話し合ってきました。
大病院の使命として中小医療機関を支援するのはもちろんのこと、
同じ看護職としてお互いを支えあえるネットワークつくりを模索していました。
このHPは、神奈川県のような「医療安全管理者ネットワーク」には届きませんが、
和歌山県医療安全管理者ネットワークの第一歩です。

和歌山県看護協会支部レベルの近隣で医療安全の研修会を誘い合ったり、
自施設で作成したマニュアルやフローチャート、チェックリストをHP上で公開したり、DVDなどの教材を貸し借りしたり、
このHPをきっかけに、お互いに助け合うことができるのではないかと夢は膨らみます。
医療事故のことは、大きな事故になればなるほど、なかなか相談できません。
でも、大きな事故ほど、誰かに相談したい、自分の判断が間違っていないか聞きたい、これが本音です。
医療安全管理者同士の絆があれば、孤独な作業が、少しは楽になるのではないかと思います。
硬い話になりましたが、医科大学附属病院の医療安全推進部として、何かできれば、と思っています。
上から目線ではないです。
私も委員会で一緒に活動した地域の病院の安全管理者の皆さんに相談に乗ってもらっています。
愚痴もいっぱい聞いてもらっています。
和歌山の医療が、看護がもっとつながるように、一歩前に進みましょう。

和歌山県立医科大学附属病院医療安全推進部にできること

①研修用DVD貸し出せます。安全に関する本も貸し出せます。
※貸し出しリストはこちらからご覧いただけます。
    ・貸し出しリスト(本)
    ・貸し出しリスト(DVD)
②研修講師できます。講師紹介できます。専任医師にも頼めます。
   私もがんばります。
   過去の研修、平成25年度の研修一覧をご覧いただけます。
     ・平成25年度研修一覧
③オープンにできるマニュアル類整備します。
④当院の研修にお誘いできるよう調整します。
⑤メールで相談受け付けます。
   e-mail:anzen@wakayama-med.ac.jp
⑥医大病院、見学できます。


最後に、昨年、研修講師にきて頂いた先生からの心に残る言葉を紹介します。
近畿大学医学部附属病院 安全管理部 
辰巳陽一先生

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自治医科大学医学部メディカルシミュレーションセンター
河野龍太郎先生

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